転職の場合の退職手続きは、かつてと比べて格段に楽になった。これは、転職が一般的なものとなってきて、会社は、自分も他社から中途採用社員を採るし、逆に社員が辞めていく、という状況に慣れたからだ。辞める側では、ともかく「確実かつ予定通りに、できるだけ良いコンディションで、次の職場に移る」ことが目的だと意識しておくことが大切だ。かつてであれば、まず、通常は行き先を秘して退職手続きに入り、上司数名や人事部などから連日のように翻意の説得を受けて、これにつき合って、相手を根負けさせて、やっと退職が認められる、というような相当の覚悟を要するものだった。
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だから、たとえば、なるべく週末に退職の意思を会社に明かして、会社側からの説得が連日におよばないようにするといった細かなテクニックにも多少の価値があった。しかし、最近は、自分の側で退職の意思さえしっかり固めておけば、会社側は深追いしないことが多い。「行き先」についても、ライバル会社や取引先というケースを除くと、そう気をつかって秘密にしておくこともない(会社や同僚の雰囲気によっては秘しておく方が気持ちのいいことが多い)、といった案配になっている。しかし、転職は本人にとっては大きな決意だし、その理由として現在の職場に対する不満かあることが多いので、退職の意思を告げようかというときには、かなり興奮していることが多い。