なぜこれほどまで大卒生(高卒生はそれ以上に厳しい)の就職状況が悪化したのか。大学関係者は「景気が回復すれば、就職状況は持ち直す」と期待するが、そうした認識自体が甘く、幻想を抱いているといわざるを得ない。今の就職難の最大要因は、単にリーマンショック後の不景気による求人減少ではないからである。本論で詳述するが、バブルショック以降、特に一九九五年以降、日本企業は新卒定期採用という採用戦略から非正規雇用に置き換える複線化採用に転換し、正社員採用枠にあたる高卒・大卒合わせた新卒採用を縮減してきた。
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若者を取り巻く雇用構造が劇的に変わってきたのである。一方で、大学進学率の上昇(一九九〇年24・6%↓二〇一〇年50・9%)により、大卒者数が一九九〇年三月の四〇万人から二〇一〇年三月には五四万入超(〇六年から〇九年までは五六万人)に膨らんでいる。そもそも新卒求人数に対し、大学生の数が供給過多になっていることが就職難を引き起こしている一因なのだ。大学と大学生数のバブリーな増大は「学生の質の低下」をもたらした。「大学全入時代」により、高校でろくに受験勉強もしなかった大学生がうんと増えているうえ、大学在学中も勉強をせず、社会や仕事で必要な基礎的能力を身につけないまま卒業時期を迎える学生が少なくない。